禁煙で人生を守るタバコは多くの病気の原因となり、体を蝕みます。喫煙者は8~10年ほど寿命が短くなるとされています。

喫煙者は8~10年寿命が短くなる
- 喫煙は多くの病気の原因となることから、「百害あって一利なし」ともいわれます。喫煙者は非喫煙者に比べて男性で8年、女性で10年寿命が短くなるとされています。
- 喫煙は全身の病気を悪化させます。高血圧や糖尿病を悪化させ、脳卒中や心臓病のリスクを高めます。肺がんだけでなく、ほとんどの部位のがんのリスクを高め、喫煙者のがんのリスクは非喫煙者の2倍です。慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や歯周病の原因にもなります。
- 妊婦の場合は喫煙で早産、低体重児出産、死産などのリスクが高まることがわかっています。
- 禁煙することで短くなった寿命は少しずつ回復します。何歳であっても禁煙が遅いということはありません。禁煙でご自身の人生を守ってください。
禁煙治療は禁煙の成功率が高い
- 禁煙が難しいのはニコチン依存症の状態にあるからです。禁煙を成功させるにはタバコで生じる3つの依存に対処する必要があります。
タバコで生じる3つの依存
依存の内容 | 依存症状の具体例 | |
体の依存 | ニコチンが体の中から減ることで 生じる禁断症状 |
・ニコチンが切れるとイライラが止まらない ・禁煙中は集中できず落ち着かない ・禁煙中に気分が落ち込んで憂うつが続く |
心の依存 | タバコに対する思い込み・ 考え方のクセ |
・タバコの害を小さく考える ・自分だけは健康を害さないと考える ・喫煙するとストレスが解消できると考える ・禁断症状に耐えられないから「禁煙は無理」と決めつける |
習慣の依存 | 喫煙が生活の中に習慣として 組み込まれている状態 |
・朝、目が覚めたら一服せずにいられない ・食事の後につい一服してしまう ・仕事が一息ついたら一服する |
- 医療機関で受ける禁煙治療は禁煙の成功率が高いとされています。ニコチン依存と判定されるなど、条件を満たしていれば健康保険で治療が受けられます。禁煙になかなか成功しない場合は受診を検討してください。
受動喫煙を防ぐために屋内は原則禁煙
- 本人が喫煙しない場合でも、周囲の人が喫煙するとタバコの煙を吸い込むことになります。このような受動喫煙で周囲の人にもタバコの健康被害が起こります。
- 受動喫煙の被害を防止するために、令和2年4月からは飲食店、オフィスなどの屋内施設では原則として喫煙室以外では喫煙ができなくなりました。
- 自宅でタバコを吸う場合、家族へのタバコの健康被害を完全に防ぐことは不可能です。家族など大切な人を守るためにも禁煙に取り組みましょう。